予防と健康ブロックレポート               

 

 予防健康ブロックの勉強の一環として、レポートを作成した。レポートは、講義で視聴したビデオと、自分で選んだキーワードから検索した論文(解説)から作成した。ビデオの内容は、一日目が「ストレス」や「メンタルヘルス」に関するもので、二日は公害で特に「アスベスト」に関するものだった。論文検索に使うキーワードは二つ選ぶことになっており、自分は、「メンタルヘルス」と「自殺」を選び検索を行った。

 

一日目の一つ目のビデオでは主にストレスについて解説しており、うつ病や労災の増加は顕著で、特に30代、40代の働き盛りの男性に多く、職場でのストレスチェックなどの対策から、うつ病にかかってしまった後の復職サポートなど様々な取り組みが紹介されていた、二つ目のビデオでは、ストレスを科学的に捕らえる取り組みについての内容で、最近の研究で、唾液のアミラーゼを測定することにより、ストレスを測定する方法が紹介された。自分は、これらのビデオのほうに興味を持ったので、それに関するものの中からキーワードを選ぶことにした。

自分は、キーワードに「メンタルヘルス」と「自殺」を選んだ、これらは特に意識して選んだわけではないが、大学の友人が自殺したこともあり自殺という言葉にはついつい過敏に反応してしまう、これら二つのキーワードで論文を検索したところ膨大な数の検索結果がでた、抄録を見て興味をひかれた、「大学におけるメンタルヘルスと支援体制」という解説をコピーし目を通すことにした、論文は二つ選ぶことになっていたので、あと一つは、「仕事・職場の問題が自殺に与える影響とそのマネジメントについて」という解説を選んだ。

「自殺」というキーワードからは離れてしまうが、大学における〜というころがきになったので、この解説を読んだ。この解説に使われているデータは主に生徒へのアンケートを集計したものである。まずキーワードの自殺についてだが、大学生の自殺率は全年齢の自殺率(25~2710万人)の半分程度(1410万人)であり、学生の自殺率は高いか低いかと聞かれたら、「低い」といえる。20代の自殺率は約19.710万人である。次にアンケートの結果であるが、2.1~14.9%が「死にたくなることがある」にチェックを入れており、べつの調査では、18.8%の学生が「死のうとしたことがある」と回答したという。調査の対象によってばらつきはあるが、思ったより多いという印象だ。

学生はどのようなストレスを感じているのだろうか、ある大学の相談室への相談内容で多かったものは、「抑うつ感」、「不安感」、「卒業後の進路」、「無気力」、「家族の問題」で、心身健康チェックリスト(JSQ)の結果でチェックが30%を上回った項目は、「志望・進路の悩み」、「視線が気になる」、「朝起きるのがつらい」、「集中力が無い」、「気分の落ち込み」、「不安感が強い」となっている。学業の不調からくる抑うつ状態もあるし、失恋からなる場合もある。ほかにもセクハラ、部活動での問題、教員との問題、など学生も様々なストレスをうけており、対策が求められる。

メンタルヘルス問題には様々な背景が絡んでいる。少子化、メール・インターネット依存、解説では、大学に容易に入学ができるようになったことも指摘している。大学入試が簡単になったわけではないが自分の成績にあわせてえらべるようになり苦労が軽減され、少子化のため親子の関係が強く密着し、子供のまま、思春期を終えず、大学生になる人が多いと書かれている。自分が強く感じるのは、地域とのつながり、コミュニケーションかないことだ。アパートで隣に住んでいる人とまったく交流を持たないのは普通なのだろうか。

対策はとしては、やはり相談室の設置であるが、何でも気軽に相談できる雰囲気を作ることが重要である、また学生に対して相談できる場があることを知らせることも重要である。相談できる範囲を広くして学生生活に幅広く対応する動きがでてきている。学生にかぎったことではないがメンタルヘルスの問題は、絶対に性格のせいにしてはいけない。対応が遅れる原因となる。また最近は、広汎性発達障害(PDD)や注意欠陥/多動性障害(ADHD)などが注目されており発達傷害を呈する学生への支援も求められているが、それには、心理学的、医学的な知識、支援が必要である。自分の通う川崎医科大学では何か対策をとっているだろうか、調べもせず書くのはレポートに適さないが2回休学をした自分だがまったく耳にしたことが無いので、特に何も無いか、あっても機能してないものだと思われる。

 自殺の話に戻る、検索したもう一つの解説は、仕事、職場の問題が自殺に与える影響について書かれていた。自殺は精神障害と深い関わりがある、とくにうつ病が知られているが、統合失調症、アルコール・薬物依存症など、うつ病以外の精神障害も検討の対象になる。まずうつ病だが、ひどいと自殺はしない、少しよくなったときが危ないというが、多種類あるどのうつ病でも自殺の危険性はあり、治療者の安易な構えは危険である。中高年の自殺が増加しているがそれには、うつ病のうち、消耗性うつ病が関係しているといわれている。 

 うつ病でない精神障害の一つにアルコール依存症があるがアルコール依存がうつ病と合併した場合自殺の危険因子として注意しなければならない。他にも、統合失調症、人格障害、適応障害などがあり、これが原因でさらにうつ病になってしまうことがある。

 自殺リスクを軽減するためには、職場、家族など周囲の理解が必要不可欠である、特に家族には治療中の患者の病状を理解してもらうことが重要である。また、産業医との連携も重要で、仕事で無理をしすぎている人にはドクターストップをかけることが必要だが、退職を勧めてはいけない、産業医が「完全に治せ」というのは、無理があり理解がない、産業医はある程度精神科の知識をつけなければならない。他には、患者とインフォームを行い治療を患者自身に理解してもらうことも重要である。

 人は多くのストレスに曝されているが、どうやって対処すればいいだろうか、自分はやっぱり人とコミュニケーションをとることが大事だと思う、携帯電話、メール、インターネット、いろいろあるがそういったものではなく、できれば会話でコミュニケーションをとりたい。現在自分は妹と二人で暮らしているが何でも気軽にはなせる相手がいることはとても大切だと思う、大学や職場で緊張感がなくなってはだめだがクラスメイト、教員と何でも相談できるような関係を作りたいと思う。

 

参考文献

大学におけるメンタルヘルスと支援体制:元永拓郎:精神科臨床サービス71号、19-23(2007.01)

仕事・職場の問題が自殺に与える影響とマネジメントについて;張賢徳:精神科治療学221号、13-19(2007.01)